コンクリート解体の費用相場は?工事内容・業者選びのポイントを解説!

住宅の建て替えや外構のリフォーム、老朽化した構造物の撤去などで、コンクリートの解体工事が必要になることがあります。しかし、「費用はどのくらいかかるのか」「信頼できる業者をどう選べばよいのか」といった疑問を抱かれる方も多いのではないでしょうか。

コンクリート解体は、対象となる構造物の種類や規模、使用する工法によって費用が大きく変動します。また、鉄筋が入っているかどうかや立地条件によっても、工事の難易度と費用に影響が生じるため、事前に相場を把握しておくことが重要です。

本記事では、コンクリート解体の費用相場をはじめ、主な工法の特徴や業者選びのポイントまで詳しく解説します。コンクリート解体工事を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

コンクリート解体とは?解体が必要になる理由

コンクリート解体とは、建物の基礎、擁壁、ブロック塀、土間コンクリート、外構などのコンクリート構造物を撤去する工事のことです。住宅や建築物の一部として使用されているコンクリート部分を、専用の工具や重機を使って破砕し、撤去します。

コンクリート解体が必要になる主な理由として、建物の建て替えに伴う既存基礎の撤去が挙げられます。

また、老朽化による安全性の低下、外構リフォームでの不要な構造物の撤去、土地の有効活用のための障害物除去なども多く見られる理由の一つです。さらに、ひび割れや欠損が進んだ擁壁やブロック塀は、倒壊の危険性があるため早めの解体が必要です。

一般的に、コンクリートの耐用年数は50年~65年程度とされていますが、環境や使用状況によってはそれ以前に解体の検討が必要な場合もあります。

コンクリート解体の費用相場

コンクリート解体の費用は、構造物の種類や規模、厚さ、鉄筋の有無、立地条件によって大きく変動します。一般的な費用相場は以下の通りです。

解体対象単価の目安備考
コンクリート基礎2,500円~4,000円/㎡
(8,000円~13,000円/㎥)
鉄筋なしの場合
鉄筋コンクリート基礎4,000円~6,000円/㎡
(12,000円~18,000円/㎥)
鉄筋ありの場合
※㎡単価が一般的
土間コンクリート2,000円~4,000円/㎡厚さ10cm程度
ブロック塀3,000円~6,000円/㎡高さ・厚さにより変動
擁壁15,000円~30,000円/㎥規模・アクセスにより変動
コンクリート階段20,000円~40,000円/箇所サイズにより変動

上記の費用には、解体作業費と廃材の処分費が含まれています。ただし、鉄筋が入っている場合は、鉄筋とコンクリートの分離作業が必要となるため、費用が1.5倍~2倍程度高くなる傾向があります。

また、重機が現場に入れない狭小地や手作業での解体が必要な場合、追加費用が発生するケースもあるため、正確な費用を把握するには複数の業者から見積もりを取得するのが良いでしょう。

コンクリート解体の工法と特徴

コンクリート解体には、構造物の規模や立地条件、周辺環境に応じて最適な工法を選択することが重要です。主な工法には圧砕工法、カッター工法、ブレーカー工法があり、それぞれ異なる特徴とメリット・デメリットがあります。

圧砕工法(重機による破砕)

圧砕工法は、油圧ショベルなどの重機にアタッチメントを装着し、コンクリートを破砕する工法です。圧砕機と呼ばれる専用のアタッチメントで、コンクリートを挟み込むようにして破砕します。

大規模なコンクリート構造物の解体に適しており、作業効率が非常に高いのが特徴です。基礎や擁壁などの厚いコンクリートでも短時間で解体できるため、工期の短縮と人件費の削減が可能です。また、粉塵の発生が比較的少なく、近隣への影響を抑えられます。

ただし、重機が進入できる十分なスペースが必要で、狭小地では使用できません。また、重機の稼働音が大きいため、住宅密集地では騒音対策が必要になる場合があります。

カッター工法(ダイヤモンドカッター)

カッター工法は、ダイヤモンドブレードを使用した切断機でコンクリートを切断する工法です。電動やエンジン式のコンクリートカッターを使用し、精密な切断ができます。

最大の特徴は、切断面が非常にきれいで精密な作業ができることです。部分的な解体や改修工事において、残存部分に影響を与えずに必要な箇所だけを切り取ることが可能です。騒音や振動も比較的少なく、住宅密集地での作業にも適しています。

一方で、作業時間が長くかかる傾向があり、大規模な解体には不向きです。また、切断時に大量の水を使用するため、排水処理の配慮が必要になります。

ブレーカー工法(手持ちブレーカー)

ブレーカー工法は、手持ちの電動ブレーカーやエアブレーカーを使用してコンクリートを破砕する工法です。作業員が直接ブレーカーを操作し、ピンポイントでコンクリートを破砕します。

狭小地や重機が入れない場所でも作業が可能で、細かい調整ができるのが大きなメリットです。階段や小規模な基礎、ブロック塀など、比較的小さなコンクリート構造物の解体に適しています。また、他の工法と比較して初期費用を抑えられます。

ただし、人力による作業のため時間がかかり、作業員の体力的負担が大きくなる点がデメリットです。大規模な構造物の解体には現実的ではなく、振動や騒音が発生するため、近隣への配慮も必要です。厚いコンクリートや鉄筋コンクリートの場合、作業効率が大幅に低下することもあります。

コンクリート解体業者選びのポイント

コンクリート解体を業者に依頼する場合、適切な業者を選ぶことが費用面でも品質面でも重要です。解体業者によって料金体系やサービス内容、対応の丁寧さには大きな差があるため、慎重に比較検討する必要があります。

  • ・複数業者から相見積もりを取る
  • ・解体工事の実績と資格を確認
  • ・工法と廃材処理方法を確認

信頼できる解体業者を見極めるためには、いくつかの重要なチェックポイントがあります。ここでは、業者選びで押さえておくべき3つのポイントについて詳しく見ていきましょう。

複数業者から相見積もりを取る

コンクリート解体の費用は業者によって大きく異なるため、複数の業者から見積もりを取得しましょう。一般的には3社以上から見積もりを取ることで、適正価格を把握できます。

見積もりを比較する際は、単純に総額だけでなく、作業内容の内訳を確認することが重要です。解体作業費、廃材処分費、重機回送費、養生費などが明確に記載されているか確認しましょう。「解体費用一式」とだけ記載されている場合、後から追加費用を請求される可能性があります。

また、見積もり時に現地調査を行う業者を選ぶのがおすすめです。図面や写真だけで見積もりを出す業者は、実際の作業時に想定外の費用が発生するリスクがあります。極端に安い見積もりを提示する業者には理由を確認し、サービス内容に問題がないか慎重に判断しましょう。

解体工事の実績と資格を確認

解体業者を選ぶ際は、コンクリート解体の実績が豊富な業者を選ぶことも重要です。過去の施工事例や写真を見せてもらい、類似した規模や構造のコンクリート構造物を扱った経験があるか確認しましょう。

また、解体工事を行うには「解体工事業登録」または「建設業許可」が必要です。請負金額500万円以上の工事を行う場合は建設業許可が必要となるため、業者のホームページや見積書で許可番号を確認してください。

さらに、産業廃棄物収集運搬業の許可を持っているか、または提携業者を通じて適切に廃材処理を行っているかも重要なポイントです。無許可で廃材を処理する業者に依頼すると、依頼主も法的責任を問われる可能性があります。口コミや評判も参考にし、対応の丁寧さやトラブルの有無をチェックしましょう。

工法と廃材処理方法を確認

見積もりを取得する際は、どの工法を使用するかと廃材処理方法が明確に説明されているか確認しましょう。現場の状況に応じて最適な工法を提案できる業者は、技術力と経験が豊富な証拠です。

例えば、住宅密集地であれば騒音の少ないカッター工法、大規模な基礎であれば効率的な圧砕工法といったように、状況に応じた適切な提案があるかを確認してください。また、なぜその工法が最適なのか、理由も含めて説明してもらいましょう。

廃材処理については、コンクリートくずの処分先や処理方法を明確に説明できる業者を選ぶことが重要です。マニフェスト(産業廃棄物管理票)の発行についても確認し、廃材が適切にリサイクルされることを保証してもらいましょう。

鉄筋とコンクリートの分別処理についても、適切な対応ができるかを事前に確認しておくと安心です。

まとめ|工事内容を理解して適切な業者を選びましょう

コンクリート解体の費用は、構造物の種類や規模、使用する工法によって大きく変動します。圧砕工法、カッター工法、ブレーカー工法それぞれに特徴があり、現場の状況に応じて最適な工法を選択することが重要です。

業者選びにおいては、複数の業者から相見積もりを取得し、解体工事の実績と必要な資格を確認しましょう。また、提案される工法の妥当性と廃材処理方法の透明性も重要なチェックポイントです。コンクリート解体の工事内容を正しく理解し、信頼できる業者を選んで、安全で納得のいく工事を実現しましょう。

解体工事 簡単セルフ見積り