はじめての家の解体で注意すべき5つのトラブルと対処法|安心して進めるための基礎知識

家や建物の解体工事は、大きな音や振動、ほこりが出るため、危険をともなう作業です。また、近所への影響も大きく、思わぬトラブルに発展することもあります。

そのため、「もし何か問題が起きたらどうしよう…」と、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

実際に、解体工事ではさまざまなトラブルが起こりがちです。でも、どんなトラブルがあるのかを事前に知っておき、対策をとることで多くの問題は防ぐことができます。

この記事では、解体工事で特に起こりやすい5つの深刻なトラブルと、その防止策について、わかりやすく解説していきます。

起こりやすい5つの深刻なトラブルとその対策

建物の解体工事は、規模が大きく、騒音やほこりなども発生するため、いろいろなトラブルが起こりやすい作業です。ですが、事前に「どんな問題が起こりやすいのか」「どうすれば防げるのか」を知っておけば、多くのトラブルを未然に防ぐことができます。

ここからは、解体工事で特に注意したい、起こりやすい5つの深刻なトラブルと、その具体的な防止策をご紹介します。

  1. 近隣住民とのトラブル
  2. 交通渋滞に関するトラブル
  3. 環境への影響によるトラブル
  4. 解体業者とのトラブル
  5. 作業中の事故や損害によるトラブル

1.近隣住民とのトラブル

解体工事でもっともよくあるのが、近所の方とのトラブルです。たとえば、工事中にはどうしても、重機の音や建物を壊すときの大きな音・振動が発生します。これらは、近隣の住民にとって大きなストレスになってしまうことがあります。

また、壁や基礎を壊すときに出るほこり(粉塵)が風にのって飛んでいき、洗濯物や車を汚してしまうこともあります。こうしたことが原因で、クレームにつながる可能性があります。

防止策

こうしたトラブルを防ぐには、工事を始める前に、近所への丁寧な挨拶と説明をしておくことがとても大切です。業者と一緒に近隣の方々の家をまわり、

  • ・工事の期間
  • ・作業の時間帯
  • ・音や振動、ほこりへの対策

などを事前に説明して、理解と協力をお願いしておきましょう。

それでもクレームが出てしまった場合は、すぐに業者に連絡し、謝罪と説明を丁寧に行うことで、大きなトラブルに発展するのを防ぐことができます。

2.交通渋滞のトラブル

解体工事では、大型のトラックや重機が何度も出入りします。また、作業員の車が周囲の道路に停められることもあります。

その結果、道路が狭くなって通行のじゃまになったり、交通渋滞が起きたりすることがあり、近所の人とのトラブルに発展するケースもあります。

たとえば、近くのお店の駐車場の前や、住宅の車庫の前に車を止めてしまうと、お店の営業や住民の生活に支障が出て、大きなクレームにつながることもあります。

防止策

こうした交通トラブルを防ぐには、工事をお願いする業者に対して、作業車両は近くのコインパーキングなどに停めてもらい、路上駐車を避けるようお願いすることが大切です。

また、工事前の挨拶回りのときに、「車両の出入りでご迷惑をおかけするかもしれません」と一言伝えておくことで、配慮の気持ちが伝わり、トラブルを防ぎやすくなります。

さらに、朝の通勤時間や子どもの登下校の時間を避けて大型車を使うなど、時間帯にも気をつけることで、工事がよりスムーズに進められます。

3.環境問題によるトラブル

建物を解体すると、大量のゴミやほこりが出ます。これらは環境に大きな影響を与えるため、慎重な対応が必要です。

とくに問題となっているのが、解体後に出る廃材の不法投棄や、空気中に舞うほこりによる大気汚染です。これらは社会全体で取り組むべき大きな課題になっています。

また、古い建物には「アスベスト」という発がん性のある物質が使われていることがあり、注意が必要です。アスベストの扱い方を知らずに解体してしまうと、作業する人だけでなく、近所の人の健康にも深刻な影響を与えるおそれがあります。

防止策

こうした環境トラブルを防ぐには、まず廃棄物をどう処理するのかを事前に業者に確認することが大切です。信頼できる業者は、法律に従って安全に廃棄物を処理しており、違法な投棄などを行うことはありません。

また、アスベストについては、法律で解体前に専門業者による調査が義務づけられています。資格を持った人がきちんと調べて、その結果をわかりやすく説明してくれるような業者を選ぶことが、安全な工事につながります。

4.解体業者とのトラブル

解体工事では、業者との間で起こるトラブルも少なくありません。たとえば、

  • ・必要な許可を持っていない“無許可業者”による違法な工事
  • ・契約になかった“追加費用”をあとから請求されるケース

などがあります。無許可の業者に工事を依頼してしまうと、法律違反になり、工事が途中で止まったり、ずさんな工事をされるリスクもあります。

また、契約時には見積もりに入っていなかった費用を、工事の途中や終わったあとになってから請求されることもあるため注意が必要です。

防止策

こうしたトラブルを防ぐには、信頼できる解体業者をしっかり選ぶことがとても大切です。具体的には、

  • ・業者のホームページなどで、実在する正規の会社かを確認する
  • ・複数の業者から見積もりを取り、価格だけで決めない
  • ・説明は口頭だけで済まさず、契約書などの書類に内容を明記してもらう

といったことを意識しましょう。契約内容をしっかり確認してからサインすることで、あとからのトラブルを防ぎやすくなります。

5.解体作業による損害トラブル

解体工事は、危険をともなう作業です。そのため、万が一の事故で損害が発生する可能性も考えておく必要があります。たとえ慎重に作業をしていても、思いがけない事故が起きることはあります。たとえば、

  • ・足場が崩れてしまう
  • ・重機の操作ミスで隣の建物を壊してしまう

といったケースがあり、近所の住宅などに被害を与えてしまうこともあります。

防止策

こうしたトラブルを防ぐためには、工事前に業者と現場を一緒に確認して、作業内容をしっかり共有しておくことが大切です。また、

  • ・作業中に近隣住民への配慮がされているか
  • ・万が一に備えて、損害賠償保険に入っているか

も必ず確認しておきましょう。特に保険については、

  • ・人へのケガ(対人)
  • ・建物や車などへの損害(対物)

の両方に対応しているか、補償の内容や金額までしっかり確認することで、安心して工事を任せることができます。

まとめ

解体工事にはさまざまなトラブルのリスクがあります。なかでも特に注意したいのは、次の5つです。

  • ・近隣住民とのトラブル
  • ・交通の混雑や迷惑駐車などのトラブル
  • ・ゴミやアスベストなど環境への影響
  • ・業者とのトラブル(追加費用や違法工事など)
  • ・作業中の事故による損害トラブル

これらの多くは、工事を依頼する前の準備や、信頼できる業者選びをしっかり行うことで防ぐことができます。この記事で紹介した防止策を参考にすれば、解体工事をより安心して進めることができ、トラブルのリスクを大きく減らせるはずです。

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