駐車場の解体工事の費用相場は?解体工事の流れや専門業者の選定方法も解説

「駐車場の解体はどのくらいかかる?」

「駐車場解体工事はどのような手順で進めるの?」

はじめて駐車場の解体を考えている場合、どのくらい費用がかかるのか、どのように進めればいいのか分かりませんよね。

駐車場の解体工事費用は、駐車場の種類や構造などによって変動があります。そのため、事前に専門業者と現地調査をおこなっておおよその費用・必要な工事内容を確認し、解体計画の立案をおこなう必要があります。

本記事では、駐車場の解体工事の費用相場や手順、駐車場解体工事の業者を選ぶポイントについて解説します。

駐車場の解体工事の費用相場

駐車場の解体工事費用は、一般的には土地面積や坪数によって決められますが、駐車場の種類や構造などによって変動があります。ここからは、平面駐車場や立体駐車場など、駐車場の種類ごとの解体工事費用について解説します。

平面駐車場

平面駐車場は屋外の地上にあり、アスファルトやコンクリートで舗装されているものが一般的ですが、なかには砂利で作られているものもあります。解体工事の流れは、基本的にアスファルトやコンクリート、砂利の撤去と整地を行うといったシンプルな流れになっています。

舗装されているものの種類によって費用に変動はありますが、費用相場は以下の通りです。

種類費用相場
アスファルト1㎡あたり約3,000~5,000円
コンクリート1㎡あたり約5,000円~
砂利車1台分のスペースで約30,000~50,000円

上記の費用は解体工事費用のみの相場で、別途廃棄物の処分費用が約20,000円〜40,000円ほどかかります。

立体駐車場

立体駐車場は、運転手がスロープを自走して停車スペースに車を移動する「自走式立体駐車場」と、車を機械管理された建物内に停める「機械式立体駐車場」の2つのタイプがあります。

自走式立体駐車場は大型商業施設の階上にある駐車スペース、機械式立体駐車場は街のなかのホテルの駐車スペースをイメージしてもらうと分かりやすいと思います。

立体駐車場の解体費用は60〜100万円ほどが相場と言われていますが、解体業者によって費用の幅がさまざまです。

駐車場解体工事の7つの手順

駐車場の解体工事をおこなう際は、事前に手順を把握しておくとスムーズに工事を進められます。以下は、駐車場の解体工事をおこなう際の一般的な流れです。

  1. 解体計画の立案
  2. 工事の届出・申請
  3. 近隣への説明
  4. 引込配管や配線の撤去
  5. 足場の設置
  6. 駐車場の解体
  7. 廃材処理と整地

手順ごとに解説していきます。

1.解体計画の立案

まず、解体工事を実施する前に、現地調査をおこなって解体計画を立てます。駐車場の構造や周辺環境を確認し、工事にともなうリスクや注意しなければいけない点などをチェックしましょう。

また、現地調査や解体計画の立案は、解体の専門業者とともにおこないましょう。複数の業者に相談・見積もりを依頼し、業者の選定をおこなってください。見積もりの安さだけで決めるのではなく、対応の丁寧さや料金の明瞭さなど、さまざまな要素をチェックしたうえで信頼できる業者を選びましょう。

2.工事の届出・申請

駐車場の解体工事を実施するためには、いくつかの届出や申請が必要です。事前に必要な書類を揃えて、正しく申請をおこなうことで、法的に問題なく解体工事を進めることができます。

主に以下の届出・申請が必要となります。

届出・申請概要提出の期限
建築リサイクル法に関する届出建築物の周辺状況や解体工事の作業内容、廃棄物の発生見込み量などを報告

延床面積の合計が80㎡以上のコンクリート、アスファルト、木材など特定建材が使われている建築物を解体した場合には、建設資材を分別、リサイクルすることが義務づけられている
工事着手の7日前まで
建築物除却届建築基準法第15条に基づいて、建物を解体(除却)するときに都道府県知事に届出が必要

工事部分の床面積が10㎡以内や、建て替えに伴う除却の場合は不要
工事着手の前日まで
道路使用許可申請解体工事で利用するトラックや重機などを、道路に駐車するような通行目的以外で道路を利用する場合には、許可が必要工事着手の前日まで
特定粉じん排出等作業実施届(アスベスト除去の届出)解体工事では建物の規模に関わらず、アスベストの有無に関する事前調査が法律で義務付けられている。

調査の結果、規定レベル以上のアスベストの使用が判明した場合は、大気汚染防止法に基づいて届出が必要
工事着手の14日前まで
ライフラインの停止電気、ガス、水道、電話などの撤去を手続きしておく

撤去を怠ると工事中の事故につながるおそれがあるため注意
工事着手の前日まで
建物滅失登記申請(※工事完了後)解体工事後にその土地から建物がなくなったことを登記する手続き工事完了後1カ月以内

上記の届出・申請は、基本的に専門業者に依頼することが可能です。施主がおこなうことも可能ですが、届出・申請に不備があると罰則が課されてしまうこともあるので、多少費用をかけてでも専門業者に委任することをおすすめします。

3.近隣への説明

工事が決まったら、近隣への挨拶・説明をおこないましょう。

解体工事は、どうしても振動や騒音、粉じんの発生が避けられません。もちろんできる限り細心の注意を払って工事をおこないますが、近隣住民に迷惑や不便をかけてしまう可能性が高いです。

近隣トラブルを防ぐためにも、事前に近隣への挨拶・説明をおこなうようにしましょう。挨拶・説明は業者がおこなうことが一般的ですが、施主が同行するとより丁寧な印象を与えられます。

4.引込配管や配線の撤去

駐車場の構造によっては、電気や水道、ガスなどの管が埋まっている場合があります。解体工事の際に破損してしまわないように撤去したり、場所をずらしたりするようにしましょう。

配管の数が多いなど、場合によっては大がかりな工事になることもあります。そのため、業者と一緒に事前の現地調査を綿密におこなうようにしてください。

5.足場の設置

高所での作業をともなう工事では、作業従事者の導線や安全性を確保するために足場を設置します。平面駐車場の場合は必要ありませんが、立体駐車場などでは建物の全方位を囲むように足場が設置されます。

また、足場の設置にともなって、建物の周りに養生シートを設置します。養生シートとは、建設現場や塗装作業など、さまざまな場面で対象物を保護するために使用されるシートのことです。

主にキズや汚れから守るために使われますが、ホコリ・砂・粉塵の飛散防止や騒音の軽減にも役立ちます。近隣住民への迷惑や不便を少しでも和らげるためにも設置しましょう。

6.駐車場の解体

足場・養生シートの設置が完了したら、駐車場の解体工事を実施します。コンクリートやアスファルトの解体・撤去は、重機や工具を使用して破砕しながら解体していきます。

現場が重機を使用できるほど広くない場合には、はつり工事をおこなうことになります。はつり工事とは、コンクリートやアスファルトを削ったり、切ったり、壊したりする工事です。専用の工具を使って、手作業で工事をおこないます。はつり工事の場合、工期が通常よりも長くなる可能性があるので注意しましょう。

7.廃材処理と整地

解体が終了したら、解体工事で出た廃材を分別して、処分場に運搬していきます。工事業者は「建設リサイクル法」に則って、コンクリート・アスファルト・木材などの特定建材を分別・リサイクルすることが義務付けられています。

廃材の分別・処理が完了したら、整地をおこないましょう。整地をしながら、地中埋蔵物がないか、障害物が残っていないかなどを確認して、工事を完了させてください。

駐車場解体工事の業者を選ぶポイント

駐車場の解体工事は専門業者に依頼する必要があるため、信頼できる業者の選定をおこなわなければいけません。以下のポイントを抑えて、解体工事の業者を選びましょう。

  • ・かかる料金を明瞭に説明してくれる
  • ・解体の実績や口コミが豊富

かかる料金を明瞭に説明してくれる

業者の選定は、複数の業者に相談・見積もりを依頼するのがよいですが、見積もりの時点でかかる料金を明瞭に説明してくれる業者を選びましょう。

見積もりは合計金額が記載されていればいいというものではなく、「何にいくらかかるのか」が細かく明記されているかが重要です。「作業一式」というような見積もりを出されても、どのようなことにいくらかかっているのかが分からず、適正な価格であるかを判断できません。

信頼できる業者であれば、具体的な工事内容を含めた細かい見積もりを出し、金額の根拠や工事内容の説明を明確におこなってくれます。

解体の実績や口コミが豊富

業者の選定をおこなう際は、解体の実績や口コミを確認することも重要です。

解体工事の実績が多いと、さまざまな現場で蓄積された技術や経験を活かして工事をおこなってもらえます。工事実績は業者のホームページに掲載されていることが多いです。

また、実際に解体工事をおこなってもらった人の口コミも確認しましょう。口コミは、ホームページやSNS、Googleマップの口コミなどを参考にすると良いでしょう。ただし、口コミを完璧に鵜呑みにするのではなく、あくまで参考としてチェックするようにしてください。

まとめ

本記事では、駐車場の解体工事の費用相場や手順、駐車場解体工事の業者を選ぶポイントについて解説しました。

駐車場の解体工事費用は、一般的には土地面積や坪数によって決められますが、駐車場の種類や構造などによって変動があります。事前に専門業者と、現地調査・解体計画の立案をおこない、スムーズに解体工事を進めていきましょう。

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