「小屋の解体はどのくらいかかる？」

「小屋の解体工事はどのような手順で進めるの？」

はじめて小屋の解体を考えている場合、どのくらい費用がかかるのか、どのように進めればいいのか分かりませんよね。

以下は、種類別の小屋の解体工事の費用相場です。

建物の構造	解体費用相場（1坪あたり）
木造小屋	1〜2.5万円
トタン小屋	1.5〜3万円
プレハブ小屋	木造：2〜4万円 コンクリート造：3～6万円
物置	3～8万円
納屋	木造：2〜4万円 コンクリート造：3～6万円

小屋の解体工事費用は、小屋の種類や構造によって変わります。そのため、事前に専門業者と現地調査をおこなって、おおよその費用・必要な工事内容を確認する必要があります。

本記事では、小屋の解体工事の費用相場や手順、専門業者に依頼する際のポイントについて解説します。

【種類別】小屋の解体工事の費用相場

小屋の解体工事費用は、小屋の種類や構造によって変わります。基本的に、頑丈な素材・構造なものほど解体費用は高くなる傾向にあります。

以下は、種類別の小屋の解体工事の費用相場です。

建物の構造	解体費用相場（1坪あたり）
木造小屋	1〜2.5万円
トタン小屋	1.5〜3万円
プレハブ小屋	木造：2〜4万円コンクリート造：3～6万円
物置	3～8万円
納屋	木造：2〜4万円コンクリート造：3～6万円

それぞれ詳しく解説します。

木造小屋

木造小屋は、1坪あたり1〜2.5万円が相場です。

木造は解体しやすく、解体で使われる一般的な重機で取り壊せるため、費用は比較的安価です。ただし、小屋内部に残置物があると、追加の費用がかかるので注意してください。

トタン小屋

トタン小屋は、1坪あたり1.5〜3万円が相場です。

トタン小屋とは、鉄板に亜鉛をメッキしている「トタン板」という建材を使った、簡素な作りの小屋のことです。

コンパクトな小屋であれば比較的安価に解体できますが、トタン住宅のような大きな規模の場合、坪単価が高くなります。

プレハブ小屋

プレハブ小屋は、使用されている建材によって費用相場が変わります。木造の場合は1坪あたり2〜4万円、コンクリート造の場合は1坪あたり3〜6万円が相場です。

プレハブ小屋とは、建物の主要な部材をあらかじめ工場で生産・加工し、現場でそれらを組み立てて建てられる小屋のことです。

コンクリート造の場合、木造よりも解体に手間がかかり、時間も要することから費用が高くなります。

物置

物置は、1坪あたり3〜8万円が相場です。

ここでいう物置は、小規模な収納スペースのことを指します。部分ごとに取り壊したり、丸ごと撤去したりと作業の仕方を選ぶことができるうえ、基礎がないケースも多いので、費用を抑えやすいのが特徴です。

ただし、転倒防止のためにべた基礎・布基礎を設けている場合には、追加費用がかかるケースもあります。

納屋

納屋は、使用されている建材によって費用相場が変わります。木造の場合は1坪あたり2〜4万円、コンクリート造の場合は1坪あたり3〜6万円が相場です。

ここでいう納屋は、農機具や収穫物、古道具などを保管するためのスペースで、特に農家で見られる建物のことを指します。

プレハブ小屋と同じく、コンクリート造の場合は解体に手間がかかるので、その分費用も割高になります。

小屋の解体は自分で（DIY）しない方がいい！

「できるだけ費用をかけたくない」という理由で、自分で小屋の解体作業を検討する方もいます。

小さめの小屋やシンプルな構造の物置などであれば不可能ではないですが、自分で作業をするのはやめましょう。

解体工事には専門的な技術や経験が求められます。経験がない状態で作業をすると、取り返しのつかない失敗をしたり、大きなケガにつながったりするリスクが高いです。

とくに、古くて劣化が進んでいる小屋や、金属製で硬い材質の小屋は、解体の難易度が高いです。柱や壁、屋根材の落下などさまざまな危険が想定され、最悪の場合命に関わる事故につながるおそれもあります。

よほど小規模で単純な物置でない限り、自分で解体することはやめましょう。

解体工事は専門業者への依頼がおすすめ

確実な解体工事をするなら、専門業者に依頼するのがおすすめです。

専門業者に依頼すれば、解体計画の立案や必要な手続き、小屋の適切な解体工事まで一貫して対応してくれます。知識や経験が豊富なので、失敗のリスクもほとんどありません。

また、解体工事は大きな音や振動をともない、大量の粉塵が飛び散るおそれがあります。適切な対処をしなければ、近隣の方に迷惑をかけ、トラブルの原因となります。

専門業者に依頼すれば、作業時に養生シートを設置して、ホコリ・砂・粉塵の飛散防止や騒音の軽減を徹底してくれます。

近隣の方へ迷惑をかけないためにも、知識・技術が豊富な専門業者に依頼しましょう。

小屋の解体工事を業者に依頼した時の手順

小屋の解体工事をおこなう際は、事前に手順を把握しておくとスムーズに進められます。以下は、小屋の解体工事をおこなう際の一般的な流れです。

1. 解体業者の選定・見積もりの取得
2. 工事の届出・申請
3. 近隣への説明
4. 工事の準備・養生
5. 小屋の解体
6. 廃材処理と整地

手順ごとに解説していきます。

1.解体業者の選定・見積もりの取得

小屋の解体工事を始めるにあたり、まずは解体業者の選定からおこないます。気になる業者を3社ほどピックアップして見積もりを取得しましょう。

見積もりの安さだけで決めるのではなく、対応の丁寧さや料金の明瞭さなど、さまざまな要素をチェックして信頼できる業者を選びましょう。

業者が決定したら、解体計画や作業内容の打ち合わせをおこないます。

2.工事の届出・申請

小屋の解体工事を実施するためには、いくつかの届出や申請が必要です。事前に必要な書類を揃えて、正しく申請をすることで、法的に問題なく解体工事を進めることができます。

主に以下の届出・申請が必要となります。

届出・申請	概要	提出の期限
建築リサイクル法に関する届出	建築物の周辺状況や解体工事の作業内容、廃棄物の発生見込み量などを報告 延床面積の合計が80㎡以上のコンクリート、アスファルト、木材など特定建材が使われている建築物を解体した場合には、建設資材を分別、リサイクルすることが義務づけられている	工事着手の7日前まで
建築物除却届	建築基準法第15条に基づいて、建物を解体（除却）するときに都道府県知事に届出が必要 工事部分の床面積が10㎡以内や、建て替えに伴う除却の場合は不要	工事着手の前日まで
道路使用許可申請	解体工事で利用するトラックや重機などを、道路に駐車するような通行目的以外で道路を利用する場合には、許可が必要	工事着手の前日まで
特定粉じん排出等作業実施届（アスベスト除去の届出）	解体工事では建物の規模に関わらず、アスベストの有無に関する事前調査が法律で義務付けられている。 調査の結果、規定レベル以上のアスベストの使用が判明した場合は、大気汚染防止法に基づいて届出が必要	工事着手の14日前まで
建物滅失登記申請（※不動産登記されている場合）	解体工事後にその土地から建物がなくなったことを登記する手続き	工事完了後1カ月以内

ただし、「建築リサイクル法に関する届出」は延床面積の合計が80㎡以上、「建築物除却届」は床面積が10㎡以内など、届出が必要な条件が決まっています。

小さな小屋・物置では届出が不要なケースも多いので、条件を確認して届出が必要か確認しましょう。

3.近隣への説明

工事が決まったら、近隣へ挨拶・説明をおこないます。

解体工事は、どうしても振動や騒音、粉じんの発生が避けられません。もちろんできる限り細心の注意を払って工事をおこないますが、近隣住民に迷惑や不便をかけてしまう可能性が高いです。

近隣トラブルを防ぐためにも、事前に近隣への挨拶・説明をおこなうようにしましょう。挨拶・説明は業者がおこなうことが一般的ですが、施主が同行するとより丁寧な印象を与えられます。

4.工事の準備・養生

近隣への挨拶・説明を済ませたら、準備に取り掛かります。

まずは工事が始まる前までに、撤去できるものは先に撤去しておきましょう。事前に撤去しておくべき物や設備を残したままにしておくと、撤去や処分に余計な費用が発生するおそれがあります。

また、工事を始める際には養生の設置をおこないます。養生は入念にしておく必要があり、解体時に飛散するホコリや汚れ、粉塵などが周辺に広がらないよう抑えることが重要です。

また、養生シートは防音や遮音性に優れたものが多く、騒音の防止にもつながります。もっとも多いトラブルは騒音なので、細心の注意を払うようにしましょう。

5.小屋の解体

実際の小屋の解体に進んでいきます。一般的に、小屋の解体工事は以下の流れで実施します。

1. 瓦やトタン板などの屋根材を剥がす
2. 壁材や内装材を剥がす
3. 重機を用いて柱や外壁などを撤去
4. 基礎の撤去と地中埋設物の確認

おおよその所要日数は5〜10日程度を見込んでおきましょう。

小屋の環境や立地条件によっては、重機の進入や足場の設置が難しい場合もあります。そのため、作業日数が前後する可能性があることを把握しておきましょう。

6.廃材処理と整地

解体を終えたら、廃材の処理を適切におこないます。工事によって生じた廃材を不法投棄すると、業者だけでなく依頼した側にも処罰が科されるので注意が必要です。

廃材の処理が完了したら、最後に現場の整地・清掃をおこないます。整地をしながら、地中埋蔵物がないか、障害物が残っていないかなどを確認して、工事を完了させてください。

小屋の解体工事を専門業者に依頼する際のポイント

小屋の解体工事は専門業者に依頼する必要があるため、信頼できる業者の選定をおこなわなければいけません。以下のポイントを押さえて、業者を選びましょう。

• ・複数の業者から見積もりをとる
• ・料金を明瞭に説明してくれる業者を選ぶ
• ・工事実績が豊富な業者を選ぶ

複数の業者から見積もりをとる

解体業者に見積もりを依頼する際は、最初からひとつの業者に絞るのではなく、複数の業者から見積もりをとって選定をおこないましょう。

複数の見積もりをとることで、料金や含まれているサービス内容が比較できます。また、料金の内訳の説明や対応の仕方、知識・経験の豊富さなど、業者の雰囲気を確認することにもつながります。

料金を明瞭に説明してくれる業者を選ぶ

見積もりの内訳が明瞭かどうかも重要なポイントです。

見積もりは合計金額が記載されていればいいわけではなく、「何にいくらかかるのか」が重要です。

小屋の解体工事料金や使用する工具や重機の料金など、内訳が明瞭に記載された見積もりであれば、適正な価格かの判断もつきやすくなります。

「工事一式」といった大まかな見積もりでは、見積もりに含まれていると思っていた内容が含まれておらず、聞いていた金額よりも高い料金を請求される可能性があります。

そのため、詳細を記載していない見積もりを出すような業者に依頼するのは避けましょう。

工事実績が豊富な業者を選ぶ

工事実績が豊富な業者は、その分知識や技術が豊富にあり、蓄積されたノウハウを活かして工事をおこなってもらえます。

工事実績は業者のホームページに掲載されていることが多いです。

また、実際に工事を依頼した「お客様の声」もあわせて確認するのもおすすめです。実際に工事を依頼した人の生の声を確認できるので、その業者が信頼できるかどうかの指標になります。

まとめ

小屋の解体工事費用は、小屋の種類や構造によって異なります。基本的に、頑丈な素材・構造なものほど解体費用は高くなる傾向にあります。

「業者に頼むと費用がかかるから、自分で解体したい」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、小屋の解体は専門業者に依頼しましょう。

専門業者に依頼すれば、解体計画の立案や必要な手続き、小屋の適切な解体工事まで一貫して対応してくれます。知識や経験が豊富なので、失敗のリスクもほとんどありません。

安心安全かつ確実な解体工事をするためにも、知識・技術が豊富な専門業者に依頼しましょう。