自宅やお店のシャッターを解体したいけれど、どこに相談すればいいのか分からない、作業の流れや費用がイメージできないという方も多いのではないでしょうか。
シャッターは建物の一部としてしっかり固定されており、解体には専門的な知識や技術が必要です。そのため、準備や料金について知らないままだと、不安を抱えたまま業者に依頼することになってしまいます。
今回は、シャッター解体の手順や、費用相場、DIYで解体する危険性などについて解説していきます。
シャッター解体の手順とは?
シャッターの解体は、ただシャッターを取り外せば終わりというわけではありません。安全に、そして効率よく作業を進めるためには、決まった手順をきちんと踏むことが大切です。これからご紹介するのは、一般的なシャッター解体の5つのステップです。
- 見積もりと現地調査
- 養生作業(ようじょうさぎょう)
- シャッター本体の取り外し
- ガイドレールや枠の取り外し
- 撤去後の壁補修と清掃
1.見積もりと現地調査
シャッター解体を行ううえで、最初に行われるのが見積もりと現地調査です。業者による現地調査で、シャッターのサイズや設置状況、周辺環境を確認してもらい具体的な費用の見積もりを提示してもらいます。
例えば、手動シャッターと電動シャッターでは構造が異なります。電動シャッターの場合は、電気配線の切断作業が加わり、作業内容が変わってくるので、手動タイプよりも金額が高くなる傾向があるでしょう。
具体的なシャッター解体費用の見積もりが業者側から提示されますが、単に金額だけで判断しないようにしましょう。作業の内訳や工期、保証内容なども細かく確認することがトラブルを回避するためにも大切です。
2.養生作業
解体作業に入る前に、周囲の建物や資材、通行人への安全を確保するために、養生作業が行われます。シャッター解体では、粉塵や破片が発生する可能性があるため、周囲をビニールシートや防護ネットで建物と近隣を覆う養生を行います。
例えば、通行量の多い場所や隣家が近い場合には、厳重に養生をしなければいけません。養生が不十分な場合、解体時に発生する物の飛散による物損事故や、人身事故に繋がりかねません。養生作業は近隣住民への配慮だけではなく、作業員の安全を守るうえでも重要です。
3.シャッター本体の取り外し
養生作業が完了したら、シャッター本体の取り外し作業に入ります。手動タイプでは、スラットと呼ばれるシャッターの羽根を一枚ずつ、あるいはまとめて取り外していく作業が主になります。電動シャッターの場合は、モーターの電源を遮断して、その後スラットや巻き取り部を慎重に取り外していきます。
電気工事士の資格を持つ作業員の対応が、義務付けられているので素人は作業できません。具体的には、モーターやスイッチは、住宅用の100 Vや200 Vの配線に接続されているため、扱えるのは有資格者のみで、無資格者は認められていません。高所に設置されたシャッターの解体では、高所作業車や足場を組んで作業を行うケースが多く、安全帯の着用や足場の設置など安全対策が求められます。
4.ガイドレールやシャッター枠の取り外し
シャッター本体の取り外しが完了した後には、シャッターを上下にスライドするためのガイドレールや、全体を支える枠の解体作業を行います。ガイドレールやシャッター枠は、しっかりと固定されているため、専用の工具を用いて慎重に取り外します。コンクリートに埋め込まれたボルトで固定されている場合や、溶接で固定されている場合など、固定方法によって取り外し方法は多岐にわたります。
5.撤去後の壁補修と清掃
シャッターの解体作業が完了した後は、シャッターが取り付けられていた部分の壁に穴が残ります。場合によっては、穴を塞ぐための壁補修作業が必要です。例えば、単に壁として穴を塞ぐ場合は、モルタルの使用や外壁パネルの張替えなどを行い、周囲と馴染むように補修をしたり、新たに窓やドアを設置したりします。解体作業中に発生した破片や粉塵を丁寧に清掃して、現場をきれいに片付けて作業完了です。
シャッター解体の費用
一般的に、手動シャッターよりも電動シャッターの方が、モーターや電気配線の処理が必要になるため、解体費用が高くなる傾向があります。シャッターの大きさや重さ、素材なども費用に影響を与えるので、具体的な金額は断定できません。
| シャッター種類 | サイズ | 費用相場(税別) |
| 手動(小型) | 2m未満 | 30,000円〜50,000円 |
| 手動(大型) | 2m以上 | 50,000円〜80,000円 |
| 電動(小型) | 2m未満 | 50,000円〜100,000円 |
| 電動(大型) | 2m以上 | 80,000円〜150,000円 |
| 防火・防煙シャッター | 100,000円~200,000円 |
解体の費用は、依頼する業者によっても異なる場合がありますが、費用相場は上記を目安にされてください。
DIYで解体する危険性
シャッター解体の費用を安く抑えたいと思って、DIYできないか考える方もいるかもしれません。シャッターの内部には、強力なスプリングが仕込まれているため、DIYは大きな危険を伴います。製品が古くなればなるほど、解体作業の危険性は高くなるので注意が必要です。老朽化している場合、DIYでシャッターを解体するとスプリングの跳ね上がりや巻き込み、モーター誤作動のリスクが大きく大変危険です。
シャッターの解体は、見た目以上に専門的な知識と技術を要する作業です。安全かつスムーズに進めるためには、信頼できる専門業者へ依頼することをおすすめします。解体実績が豊富な専門業者は、効率的な作業計画を立てられるため、結果的に費用を抑えられる可能性があります。
まとめ
シャッター解体を検討しているけれど、日常生活や日常業務で忙しく過ごしており、ずっと放置したままになっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。錆びやモーター故障などで開閉できなくなったシャッターを放置すると、防犯性能が低下するだけではなく、台風や地震で落下する危険があります。
安全かつスムーズに解体作業を進めるためにも、信頼できる業者に依頼するのがおすすめです。高所作業で足場が必要な場合の足場費用、撤去後の壁補修作業の費用、廃材が大量に出る場合の廃材処分費など追加の費用が発生する可能性もあります。作業内容や費用内訳、保険や追加コストの有無などを確認したうえで、信頼できる解体業者に依頼すると安心です。